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フランキー・マシーンの冬

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フランキー・マシーンの冬 上 (角川文庫)フランキー・マシーンの冬 下 (角川文庫)フランキー・マシーンの冬 下 (角川文庫)
  • 作者: ドン・ウィンズロウ
  • 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
  • 発売日: 2010/09/25
  • メディア: 文庫
<裏表紙あらすじ> フランク・マシアーノはマフィアの世界から足を洗ったつもりだった。地元サンディエゴで釣り餌店をはじめ複数のビジネスを営むかたわら、元妻と娘、恋人の間を忙しく立ち回り、“紳士の時間”にはサーフィンを楽しむ62歳の元殺し屋。だが“餌店のフランク”としての彼の平和な日々は、冬のある一日に突然終わりを告げる。過去の何者かが、かつて“フランキー・マシーン”と呼ばれた凄腕の存在を消し去ろうとしていた――。 <上巻> 何者かの罠にはまり姿をくらました伝説の凄腕“フランキー・マシーン”を、マフィアの刺客がつけ狙う。20年来の友人、連邦捜査官のデイヴ・ハンセンも重要証人の殺害容疑でフランクの逮捕状を取った。じりじりと包囲網が狭まる中で、フラッシュバックする記憶をふるいにかけるフランク。誰がなぜ、彼を消そうとしているのか。だが容疑者のリストはあまりに長く、残された僅かな時間は尽き果てようとしていた――。<下巻> この上下巻の文庫本の表紙、並べると続き物になっていたんですね。カバーをかけているので、気づかないでいました。 「このミステリーがすごい! 2011年版」第4位。2010年週刊文春ミステリーベスト10 第9位。 あらすじにある“紳士の時間”とは 「カリフォルニアのサーフィンの名所なら、どこにでも“紳士の時間”というしきたりがある。始まりは八時半か九時。そのころになると、若き名人たちが、出勤するために急いで海から引き揚げるので、もっと時間を自由に使える男たちに出番が回ってくる。波間に集まるのは、医者、弁護士、不動産投資家、早期退職した公務員、引退した教師、つまり“紳士”たちだ」 「若い連中が、“高齢者の時間”と呼ぶなら、呼ばせておけばいい。やつらに何がわかる?」(P27) ということのようです。なんだか素敵な感じがしますね。 前作の「犬の力」 〈上〉 〈下〉 (角川文庫)が剛腕でねじ伏せるような迫力満点であったのに対し、この「フランキー・マシーンの冬」 〈上〉 〈下〉 (角川文庫)は緊迫感あるクライム・ノヴェルなのに、どことなく余裕を感じさせる、そんな作品です。 もちろんそれは、主人公であるフランク・マシアーノの魅力ゆえ、ですが、彼をめぐるエピソードの数々が素晴らしい。 元マフィアとはいえ、今は普通の(?) おっさんのなんということのない日常生活が、なんだかかっこいい。そう思えます。 フランクを消そうとしているのは誰か。 過去の回想をちりばめながら、フランクがつきとめていくわけですが、その道筋、過程がテンポよく、彩りよく語られるので、さほど意外とは言えない犯人でも、十分な満足感を得られました。 ウィンズロウの作品は、この後もどんどん訳されているので(当然ながら(?) 全部買ってあり、積読中です)、とても楽しみです。 「夜明けのパトロール」 (角川文庫) 「野蛮なやつら」 (角川文庫) 「紳士の黙約」 (角川文庫) 「キング・オブ・クール」 (角川文庫) 「サトリ」 (上) (下) (ハヤカワ文庫NV)

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