前回
「C.M.B.森羅博物館の事件目録(3)」の感想(リンクは
こちら)を書いてから、また2ヶ月経ってしまいました...
この第4巻は、1冊全部が「ユダヤの財宝」という作品になっています。
舞台はイタリア&バチカン。
コロッセオの中の2メートル四方の部屋のなかで、3メートルの槍で殺される、という事件を端緒とするストーリーです。
この、ある意味不可能犯罪ともいえるトリックは、これまた視覚的で、コミックならでは。すばらしい。他愛ないトリックだ、という人もいるでしょうが、こういう、発表媒体を意識したトリックをずっと繰り出してくるところに、加藤元浩のすごさがあると思います。
タイトルにもなっている、被害者がローマで見つけたというユダヤの財宝とは何か?
雄大ですね。壮大ですね。そして、これも視覚的にわかりやすい財宝で、楽しかった。
扱われているテーマも壮大というか、重大というか、非常に深遠なものなので、ちょっと危なっかしい印象もありますが、重厚な長編小説でじっくりじっくり書き込むより、こういうあっさりした扱い方の方がむしろよいのかもしれません。そんなことを考えました。