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甘栗と戦車とシロノワール

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甘栗と戦車とシロノワール (角川文庫)

甘栗と戦車とシロノワール (角川文庫)

  • 作者: 太田 忠司
  • 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
  • 発売日: 2012/02/25
  • メディア: 文庫



評価:★★★☆

探偵だった父親が交通事故死してしまい、
図らずも探偵の真似事をする羽目になってしまった高校生・甘栗晃くん。

そんな彼が活躍するミステリ第二弾。

今回の依頼人は、
中学校時代には「戦車」の異名を持つ札付きの不良だったが、
今は見違えるように真面目に生活している同級生・徳永。
小学校時代の恩師・音辺麻由子を探して欲しい、という依頼を受けて
再び探偵仕事に首を突っ込むことになる。

  「シロノワール」の意味については、本編を読みましょう。

しかし、捜索途中で訪れたアパートからは、
自殺とは言え死体が出てきたり、
徳永の中学時代の悪友たちの縄張り争いに巻き込まれたり、
さらにはその背後には地元の暴力団の影が見え隠れしてきて
前作よりも危険度とハードボイルド率が200%増量というところ。


前作では高校を休学中で、
そのまま退学してしまおうかと考えていた甘栗くんだが
今作では復学を果たし、どうやら奨学金のあても出来て
大学進学を含めた将来展望が開けてきそうな雰囲気。

本来なら父親の探偵事務所なんてさっさと畳んでしまえばいいのに
ずるずると引き延ばしていて、どうやら探偵稼業も嫌いではない様子。

実際、押しの強さと、相手に鎌をかける能力はかなりのもので
探偵としても充分やって行けそうではあるが。

このまま高校生と探偵の二足のわらじ、
将来は大学生と探偵の兼業なんてのも面白いんじゃないかと思う。


ただ、不満な点もいくつか。
甘栗君の悪友・直哉くんの出番が少なかったり、
美術部副部長の三ヶ日こと美佳さんに対する甘栗くんの態度が
いかにも邪険だったり。あれじゃ彼女が可哀想だよなぁ。

いつの日か出るであろう第3作では、
もうちょっと彼女に優しくしてあげてよ、甘栗くん。


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