百田さんは以前TVで放映されていたインタビューで、同じジャンルの小説は書かないと発言しておりました。
なので、このノンフィクションは特別ともいえます。
「ボックス!」で扱った世界とはちょっと違いますが、熱い昭和史の重要なエピソードのひとつとして、日本のプロボクシングが辿ってきた道をファイティング原田という突出した存在を中心に、やはり人の生の気高さを称える内容として描いていきます。小説で自在に展開されるエピソードとほとんど変わらないような強力なライバルだったり、運命の皮肉だったり、実に多彩なドラマが紹介されていて、やっぱり百田さんの言葉だなぁと改めて思いました。
現時点で文庫はこれで一段落のようなので、本屋大賞のあの作品も含め、ちょっと待ち遠しい状態です。
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