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『どうせ死ぬなら「がん」がいい』

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『どうせ死ぬなら「がん」がいい』 中村仁一・近藤誠 2012/10 どうせ死ぬなら「がん」がいい (宝島社新書)  著者中村は老人ホームの診療所長、近藤は慶応大医学部放射線医。 がんは放置すれば理想的な死に方ができるという本。  がんは放置したほうがよいと考える二人の対談集。  がんは、なにも治療しなければ、たいてい最後まで意識はしっかりしているからゆっくり身辺整理ができるし、親しい人にお礼とお別れも言える。  本物のがんだと闘病期間も短い。また、世間で思われているほど痛まない。治療で痛む。がんの9割に抗がん剤は無意味。米国とスウェーデンでは早期前立腺がんは「なにもしないで様子を見る」のが最良と結論されているという。  抗がん剤は正常な細胞もやっつける。抗がん剤が「効く」ほど患者はがんと闘う力も、正常な機能もダウンしてしまう。  手術や抗がん剤で中途半端にがんを痛めつけるから、痛みが出て寿命が縮む。胃がんや肝臓がんも放置すれば枯れて眠るような自然な死を迎えられる。痛みが出たらモルヒネなどで苦痛を除くことができる。  がんの9割は「末期発見・治療断念」「放置」がいちばん。近藤は150人以上の「がん放置患者」を診て理論と事実が一致したという。近藤による『がん放置療法のすすめ』にまとめてある。中村も老人ホームで、がんを放置した人の死に方を70例以上診てきた。  本物のがんは、見つかった時点で転移している。「がんは大きくなってから転移する」というのは間違い。検診で見つかってから標準治療をしても治らない。  がんは傷口に集まって増殖する。手術で切るとがんの進行・再発を助けることになる。  血液のがんの場合は抗がん剤のメリットがある。  食事療法で注意すべきは、体力を落とさないために「やせすぎてはいけない」「コレステロール値を下げてはいけない」ということ。  日本人が一生に使う医療費の2割が死ぬ直前に使われる。それがないと医療産業が成り立たないという。

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