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読了:マシューズ家の毒 (Behold heres poison), ジョージェット・ヘイヤー

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* マシューズ家の毒 (Behold heres poison), ジョージェット・ヘイヤー, 猪俣美江子, 東京創元社, 9784488127121 1930年代を舞台にした毒殺本格ものである。ヘイヤーは初読。 ロンドン郊外の屋敷で起きた毒殺事件。スコットランドヤードの警視が乗り出しての捜査が始まるが、現場は保存されていない、関係者の証言は信用できないわ、話はあっちこっちに飛ぶわの一大騒ぎに。そしてついに第2の殺人、さらに明らかになる衝撃の事実・・・、という感じの全体像だ。 読後感としては、意外な犯人像も面白いが、全編にまき散らされたレッドへリング情報これでもかー、というところが本作の特徴ではないか。登場人物たちがひとくせもふたくせもある者ばかり。やたらとステレオタイプでもあるのだが、わざわざ会話を混乱させてみたり、軽口なのか本気なのかわからない会話文が大量にあったりして、ちょっと読むのに疲れるところもある(翻訳も大変だったに違いない)。まぁ、このあたりがユーモアとして書き込まれた要素、ということなんでしょう。これを楽しめるかどうかが、本作を楽しく読めるかどうかにかかっているかも。翻訳がよいのか、案外サクサク読めます。 マシューズ家の毒 (創元推理文庫)


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