元マッキンゼーのコンサルタント、現京都大学の准教授がこれから社会にでる若者に向けて書いた一冊。
Amazonのレビューなどでは賛否両論あるが、本書の目的を(特に勉強ができる)日本人がハマりやすいトラップを明らかにする、と考えるならば非常にわかりやすく、成功した内容だと思う。
【目次】本書の第1章が「勉強できてもコモディティ」から始まるのは非常に象徴的。 明示されては居ないが、私の読むところ、本書の目的は旧来からの常識を持った日本人、特に優秀な人々がハマりやすい罠を明らかにし、これから社会にでる若者が搾取されないようにするというところに有ると思われる。 バブル経済以前の日本は日本という市場自体が右肩上がりだったので、その市場に長期的にコミットしていれば必然的に儲かっていた。が、今は状況が変わってしまっている。苦労して官僚や大企業の正社員になって日本という市場に長期的にコミットする体勢を構築しても、その苦労が報われない可能性も高い。 もちろん、こんなことは本書を読むまでもなく、(まっとうな)社会人なら多くの人が知っていることだが、学生だと状況は異なっているのだろう。私は学生と接点がないので実態は不明だが、新聞等の報道によれば「公務員人気の高まり」とか「専業主婦願望の高まり」と言った、日本社会のルールが変わったことを理解していないとしか思えないような報道がよく出ている。 これからの日本で人並み以上の暮らしをしようと思ったら、主体的に市場に関わり、市場で評価され無くてはならない。そして、市場は当然の事のように世界とつながっている。 アタリマエのことなのだが、旧来からの常識に縛られた人ほどこの考えは馴染みにくい。また、アタマでは分かっていても行動に移すことは出来ないという人も多いだろう。 特に、アタマはいいが京都という地方で世の中の流れが見えにくくなっている京都大学の学生などは本書のターゲットドンピシャの人々だろう。京都大学で筆者の授業が人気になるのもよく分かる一冊だ。 ☆☆☆☆(☆4つ) 他のBlogの反応はこちら。 http://tamanegi.jugem.cc/?eid=1285 http://smoothfoxxx.livedoor.biz/archives/51963112.html http://d.hatena.ne.jp/ysadaharu/20120825/1345919770 http://lesailes.air-nifty.com/lifelog/2011/10/2011-097-5e89.html http://kouzi-s.at.webry.info/201307/article_10.html http://mmaehara.blog56.fc2.com/blog-entry-2533.html http://d.hatena.ne.jp/moto0215/20130323/1364023011 日本の金持ちは土地持ちと医者が多いらしいですが、これからの日本では「となりの億万長者」型のお金持ちが増えていくんでしょうね。
はじめに
第1章 勉強できてもコモディティ
第2章 「本物の資本主義」が日本にやってきた
第3章 学校では教えてくれない資本主義の現在
第4章 日本人で生き残る4つのタイプと、生き残れない2つのタイプ
第5章 企業の浮沈のカギを握る「マーケター」という働き方
第6章 イノベーター=起業家を目指せ
第7章 本当はクレイジーなリーダーたち
第8章 投資家として生きる本当の意味
第9章 ゲリラ戦のはじまり
本書で手に入れた武器