<裏表紙あらすじ>
総領息子が座敷牢に閉じこめられたり盗賊に一家惨殺されたり……女の幽霊や顔の潰れた男の首が出るいわくつきの屋敷。夜、怪しい音を耳にした鉄之助は忽然と消えた。怖がりの甚十郎も消えた。そして、死体が残された。「本物の幽霊屋敷だ」と見切っていた平松左門は、どう解く? 怪談ミステリの気鋭の会心作!
「掘割で笑う女 浪人左門あやかし指南」 (講談社文庫)
「百物語 浪人左門あやかし指南」 (講談社文庫)
と来て、この
「無縁塚 浪人左門あやかし指南」 (講談社文庫)
がシリーズ第3作。次の
「狐憑きの娘 浪人左門あやかし指南」 (講談社文庫)
まで出ていますね。
このシリーズの常として、きちんとミステリとしての結構が整っているので、安心して読めます。
この作品のポイントはいつもと違って早々に左門が
「本物の幽霊屋敷かもしれん。少なくとも俺は近づきたくない。」(P30)
と決めつけるところですね。
さてさて、本当に幽霊屋敷なのか、それとも人間の仕掛けたものなのか。
怪談を絵解きすると白けてしまったりしそうなものですが、短い枚数でもきっちりと由縁が描かれているので、その心配はありません。
タイトルにもなっている「無縁塚」には、ぜひとも注目して読んでいただきたいです。
シリーズは、次の「狐憑きの娘」 のあと書かれていないようですが、再開してもらいたいです。
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