<内容>
東京都墨田区Y町。つまみ簪職人・源二郎の弟子である徹平(元ヤン)の様子がおかしい。どうやら、昔の不良仲間に強請られたためらしい。それを知った源二郎は、幼なじみの国政とともにひと肌脱ぐことにするが―。弟子の徹平と賑やかに暮らす源。妻子と別居しひとり寂しく暮らす国政。ソリが合わないはずなのに、なぜか良いコンビ。そんなふたりが巻き起こす、ハチャメチャで痛快だけど、どこか心温まる人情譚!
江戸っ子幼馴染コンビのお話です。ってことで、江戸弁(?)の会話が心地良いほどポンポンと話が進みます。
国政は、典型的な元企業戦士。真面目なんだけど、周りが見えてなくてピントはずれなことばかりしています。それに対して、源二郎は仕事以外の言動はハチャメチャなんだけど、なんか憎めない。しかも、国政が欲しているモノを持っている。そんなわけで国政は年がら年中源二郎に嫉妬しています。
こんなこと書くと、国政にいいところ無しな印象を与えると思うんですけど、そんなことないですよ。最後の方で国政が別居中の奥さんに出す手紙の件や、一時的に帰ってきた奥さんの後ろを犬のようについて回る姿はすっごくほほえましかったし。
元気がでる小説かなって気がしました。
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