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●「しゃばけ」畠中 恵

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「しゃばけ」畠中 恵 江戸の町、妖とともに殺人事件の真相に迫る

しゃばけ

しゃばけ

  • 作者: 畠中 恵
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2001/12
  • メディア: 単行本
読了日:2013.05.12 分 類:長編 ページ:250P 価 格:1500円 発行日:2001年12月発行 出版社:新潮社 評 定:★★★ ●作品データ● ---------------------------- 主人公 : 一太郎 語り口 : 3人称 ジャンル: 江戸ファンタジーミステリ 対 象 : 一般向け 雰囲気 : ラノベ、オカルト 結 末 : 解決 装 画 : 柴田 ゆう --------------------------- 【100字紹介】 大店の若だんな一太郎。
両親から溺愛される、病弱な一人息子を守るべく、
手代に身を替えた犬神・白沢、屏風のぞきや鳴家が周りを固める。
ある夜、一太郎が殺しを目撃してしまい…。
江戸が舞台のファンタジーミステリ
第13回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞作。 面白い、という噂を前に聞いたので、読んでみました。 主人公は江戸の大店・廻船問屋長崎屋の若だんな・一太郎。 とても病弱で、臥せりがちな若だんなの周りには、 一人息子に大甘な両親、何をおいてもとにかく一太郎が大事な手代の佐助と仁吉、 菓子屋・三春屋の跡取り息子で幼馴染の栄吉、 それに沢山の妖たちがいます。佐助と仁吉も正体は妖。 そんな若だんなはある夜、こっそりひとり歩きしているときに、 恐ろしい人殺しの現場を通りかかってしまい、 ずるずると事件に巻き込まれていくのです。 というわけで、江戸を舞台にしたファンタジー・ミステリ。 面白いといえば面白いですが、 新しいわけでもなく、飛びぬけて面白いわけでも上手いわけでもなく…、 一言にすれば、よくまとまった1冊だと思います。 ファンタジーであり、キャラを中心にした構成なので、 若干、捕り物帖的な部分が強めにあるものの、 出版形態が違えばラノベで分類できる感じ。 でもラノベ界に放り込まれれば、ミステリ部分が特長的と言われるかも。 ああ、これは珍しいとか、力を入れているなあという部分としては、 「人は生まれながらに不平等であり、  それはもう、本人の資質と努力で何とかできるものではない」 というのが何度も描写されるところでしょうか。 ありがちな漫画的展開ならば、努力すれば何とかなるとか、 やっぱり子どもは可愛いものだ、とかそういう風に流されていきそうな場面でも、 安易にそういう方向にいかないところが、「お」と気をひきました。 理不尽を理不尽のままに描く。 意外にこれ、難しいことだと思います。 その意味では、上手い、のかもしれません。 --------------------------------- 文章・描写 :★★★ 展開・結末 :★★★ キャラクタ :★★★ 独 自 性 :★★★ 読 後 感 :★★★ --------------------------------- 菜の花の一押しキャラ…一太郎 「効くねぇ、二十五両」(一太郎)

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