数えずの井戸 (C・NOVELS BIBLIOTHEQUE)
- 作者: 京極 夏彦
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2013/06/24
- メディア: 新書
700ページ超の大作です。単行本で二度ほど挫折し、ノベライズでなんとかこの度読了いたしました。京極さんの作品は長い、厚いことで有名(特に初期の作品群)でしたが、久々の大作に少々苦戦した次第。ブログの更新もこの間できませんでした。
さて、本作はいわゆる「番町皿屋敷」のお話です。このお話、室町時代からネタとしてはあるようで、いったいどれが本当の話(落ち)なのか分からないのだそうです。そういう意味で本作は平成版番町皿屋敷であり、数百年後に京極夏彦の解釈としてだだれかが参考文献として引用するのかも?しれませんな。
巷説百物語に登場する又市などが絡み、京極ファンとしては面白がらせていただきましたが、登場人物たちの満たせぬ思いはほぼ私たちの日常の思いであり、それをぶち壊してしまえばよい、という破壊的衝動も交錯する本作、正直、読むのがつあれました。一度読破しただけにもう一度読めば少しは登場人物たちの思いに添えるのかもしれませんが・・・いつ再読できるか?少々自信がありません。