2013年9月6日にTBSで再放送された西村京太郎氏原作の「生命」を見た。西村京太郎サスペンス十津川警部40作記念作品と知らず、9月9日の月曜ゴールデンで、西村京太郎サスペンス十津川警部50作記念作品として「消えたタンカー」が放送されることも気づかなかった。1975年4月にカッパノベルスとして出版された「消えたタンカー」がどう描かれるのか楽しみだ。
2004年4月から東京スポーツ新聞に連載された「生命」では情報の連絡手段にファックスや携帯電話が利用されており、パソコンも使用されている。この時代では当然の手段だ。しかし、「消えたタンカー」のなかでは「・・東京へ打電してくれ・・」との表現はあるものの、ファックスなどの表現は利用されていない。1975年当時、西村作品にはファックスは登場せず、1983年10月に小説現代に発表される「L特急踊り子号殺人事件」で「・・静岡県警からグリーン車に乗っていた乗客34名の名前と住所をファクシミリで送ってきているよ。・・」との表現での登場まで待たねばならない。類似の伝達手段として電送との表現を使うこともあるが、これは1969年春陽堂から出版された「21世紀のブルース」や1971年実業之日本社から出版された「殺しの双曲線」で登場している。携帯電話となると、1990年に微笑に連載された「尾道に消えた女」まで待たねばならない。「消えたタンカー」がどのように脚本されるか楽しみに見たい。↧