世の中ではいろんな「学習法」をテーマにした本が人気ですよね。
でもこの本は、そんじょそこらの本と違って、切り口がユニーク!
ドラッカーから村上春樹まで、
いわゆる偉人たちが、無名時代からブレイクスルーしたきかっけとなった
勉強法にスポットを当てて紹介しています。
あなたは戦術を持って、
自分にフィットした勉強をしているだろうか?
受験にしろ資格の勉強にしろ、短期間で成果を出せる人って、
大体その人ならではの成功法則を持ってたりしますよね。
でも、その方法を真似ても必ずしもうまくいくとは限りません。
体質的に朝が弱い人が、朝勉しようと思っても挫折してしまうように、
ロングスリーパーが短時間睡眠で学習しようと思っても
かえって効率が悪くなるように、
皆が皆、同じ方法で成果が出せるとは限りません。
人それぞれ、自分の体質や性格にあわせた戦略を考え、
得意技を磨く必要があるのです。
この人を見よ!
オリジナル勉強術を確立した偉人たち
この本の面白いところは、読者が抱えている問題点(壁)と
「その壁を乗り越えていった偉人たち」を対比させて
ブレイクスルーの方法を浮かび上がらせているところですね。
例えば、こんな感じ。
●学識コンプレックスを捨てたいあなたに→
「本田宗一郎の押しかけ学習法」
●やりたいことを絞りきれないあなたに→
「ゲーテの自分を限定する技術」
●夢中になって勉強したことのないあなたに→
「シュリーマンのロマン追いかけ勉強術」
●一人ではやる気が起きにくいあなたに
「松田松陰の教え合い学習法」
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などなど、16人の偉人たちが突き当たった壁と
ブレイクスルーのきっかけが紹介されています。
個人的に一番心が引かれたのが夏目漱石さんですね。
イギリス留学を全然楽しめなくて、英国式社交の場にも馴染めなかった漱石さん。
引きこもりがちで 憂鬱な毎日を過ごしていました。
彼はそこから発想の転換を行ったことでブレイクスルーし、
有名作家への道を行くようになります。
なんといっても、この夏目漱石さんの
コミュ障っぷりにもう親近感が湧いて仕方ありませんでしたね。
人がうらやむロンドン留学にもかかわらず
毎日が憂鬱すぎてひどい神経衰弱になってしまうほどですから。
現代を生きるコミュ障である私もすごく共感してしまいました。
こんな風に、自分と似たタイプの偉人を見つけて
その勉強法を真似ることができるというのも
この本の面白いところですね。
まとめ:
何事においてもちゃんと向き合える。
そういう精神性を養うために勉強する。
これまで勉強法について語ってきましたが、
では何故勉強するのか?という問いかけに著者はこう答えています。
「私の考えは、勉強そのものを目的化してみんなを勉強好きに誘うことではありません。
人としてタフになる、人として成熟する、そういうものであってほしい」
勉強を通じて得た精神的な強さが、幅広くいろいろに応用できて、
生きていくうえでよりよい関係作りに活かしていけるといいですよね。