『なぜ老いるのか、なぜ死ぬのか、進化論でわかる』 ジョナサン・シルバータウン 2016/02
著者はエディンバラ大学進化生態学の教授。 老化や寿命について解説する本。
進化の観点からすれば、長寿にはほとんど利点はない。自然選択は、子孫を残すことに役立つ遺伝的な特徴を優遇するので、短命や早期の生殖を促す遺伝子がすばやく広がると考えられる。
長寿をめぐる謎は、なぜ人間がそんなに早く死んでしまうのかということではなく、むしろなぜ私たちはそんなに長生きするのかということになる。
ガンにかかる危険性は、動物の多細胞性と、多細胞性によって得られる長寿に伴う代償だ。 ガンによる死亡率をさまざまな動物で比較すると、以外に差は小さい。イヌは約20%、シロイルカ18%、アメリカ人25%。
ゴンペルツの法則:死亡率は一定の期間ごとに倍になる。同じ現象はヒト以外の種でも認められるが、倍になる期間は違う。ヒトは約8年、イヌ3年、実験用ラット4ヶ月。これが老化の速度。 生物は性的成熟に達すると死亡率が指数関数的に上昇する。
超高齢になると老化が止まる(ように見える)のは、体の弱い人びとが先に死んでしまい、一生を通じて普通より壮健でいられた人が生き残るからだろう。
テロメアの長さは、哺乳類の中では寿命と逆相関し、ヒトのような長寿の哺乳類ではテロメアが短い。短いテロメアは、長寿の種でガンの発生を予防するブレーキとして働くために進化したということがうかがえる。
老化や寿命とは、「年を取ると自然選択が引退する」成り行きなのである。 一方で植物や群体動物(サンゴなど)は生殖細胞と体細胞の系列が分化していないので、年を取っても自然選択は突然変異の有害な影響から細胞を保護し続ける。結果的に植物や群体動物は大変に長生きすることができる。
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なぜ老いるのか、なぜ死ぬのか、進化論でわかる
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