予備知識ゼロで読みました。 なんと、日本のスズメバチのお話でした。で、百田さんという作家は「永遠のゼロ」という本がたくさん売れているそうだ、という程度にしか知りませんでした。(しかも、ゼロを読んでいません・・) 虫の切なさは、何となく分かりました。が、どうにも感情を持つ虫というのがピンと来ませんでして、主人公のマリアという働き蜂を、仕事ができるキャリアウーマン風に感情移入させようという気配を、勝手に感じてしまいまして・・。 シートン動物記、ファーブル昆虫記にはちと及ばないような・・。 年を取ったのでしょうか。感動させてやるよ!的な、意図的な部分を行間から勝手に察知してしまい、すすす・・と、冷める自分自身に気付きました。 つまり、まだ世間の手あかに汚れていない中学生くらいまでの少年少女はぜひとも読んでみると楽しめると思います。スズメバチの生態についても知識が増えますし、日本ミツバチの偉大さにも新しい発見があります。 最後に。この本のちょっとした違和感の原因が分かりました。この本のタイトルごと否定しなければならない根本ですが、このお話は日本の雑木林に住む日本固有の大スズメバチのお話にも関わらず、主人公の蜂はマリアなどというヨーロピアンばりばりのお名前で、お仲間たちもドイツ人の名前みたいな蜂ばかりです。 と、いって、「風の中の幸子」なんていう名前の本で、出てくるお仲間が、佳子、貴子、香織、良枝・・なんて言う風になっていたら・・・。面白いけど、大スズメバチの恐ろしい感がだいぶスポイルされてしまいますね。日本人の名前は、なんとなく優しい感じがするのでしょうか。 ま、どうでも良い事を最後に書いてしまいました。読書感想文向けの読みやすい本ということで、読んでおけば宿題が片付く事請け合いです。この辺がよかった!的な部分が分かりやすいので、感想はかきやすいでせう。
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