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『発達障害の子どもと生きる』松為信雄

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発達障害であることがわかったとき、親がどう支援すべきか。 学齢期の、基本的生活習慣を身につけるくらいまでの 療育についての本は何冊か読んだが、 社会人になってからのことを視野に「いかに育てるか」を これだけ論じた本は初めて。 ぜひ、発達障害のある人、その家族に読んで欲しい一冊。 まずは、学齢期の学校選びについて、 一般学級と特別学級、それぞれのメリット/デメリットを 明確に示し、 さらに学生時代を終えるまでに 子どもに学ばせておくべきポイントをわかりやすく解説する。 働く際に、障害者手帳を持つか持たないか、 による違いについても的確に表し、 その上でどう働くか、どう働いていけるのか、 を親子で考えながら進むべきと語る。 上からでも下からでもなく、 実に現実的で、かつ深い愛情も感じる 著者の適切な助言は、 おそらく就職活動の現場にかかわるすべての人に、 そして発達障害の職員の採用を考えている企業、 採用はしたが、うまく力を引き出せていない企業など、 あらゆる関係者にとって非常に示唆に富んだものに違いない。 順当にいけば、親は子どもより早く亡くなる。 そのときに、100%行政のお世話になる、 「自己肯定感」を持ちづらい半生を子どもに送らせるのか、 部分的にはサポートを得るものの、 働くことで自己肯定感をしっかり感じながらの半生とするか、 発達障害という「子どもの個性」に気づいた後の、 親の対応の違いが、子どものその後を大きく分かつ。 冷静に子どもの能力や個性を見極めて育てる。 言うのは簡単だが非常に難しいことだとは思う。 だが、こうした著書に出会い、適切な支援者に出会えば、 親も戸惑うばかりではなく、必要なサポートをできるように なっていくのではないだろうか。 また、社会そのものが変わっていくこと。 何であれ障害がある人をあるがままに受け入れ、 それぞれの特性を生かしながら共生できる社会へ。 そんな将来が来ることを願う。

発達障害の子どもと生きる
『発達障害の子どもと生きる』 松為信雄/著 幻冬舎(幻冬舎ルネッサンス新書) 2013年6月30日 にほんブログ村 本ブログへ
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