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ヨブ記 1章13~22節

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<「わたしは裸で母の胎を出た。裸でそこに帰ろう。主は与え、主は奪う。その御名はほめたたえられよ。」(21節)> ヨブの子どもたち全員が集まり、長兄の家で宴会を開いていた日、ヨブのもとに4人の召使が次々と報告に来た。 最初の報告は牛に畑を耕させ、ろばに草を食べさせているとき、シェバ人の襲来に遭い、略奪され、牧童たちが殺されたというものであった。その報告が終わらないうちに、天からの神の火によって羊も羊飼いも死んでしまったと次の報告が入った。 その報告の途中に、カルデア人がらくだの群れを襲い、牧童たちは殺されたという報が入った。次に来た報告は「宴会を開いておられるご長男のお宅に、荒れ野の方から大風が来て四方から吹き付け、家は倒れ、若い方々は死んでしまわれました。私一人だけが逃げのびてまいりました」という悲惨な報告だった。 Sさんは東京の大学に通う一人息子さんを交通事故で亡くされた。「すでに亡くなられております」と警察からの電話を九州で受けた彼女は、よく理解できないまま、牧師に「私のために祈って下さい」と電話した。その時はそれしか出来なかったと話された。 家畜も使用人も、息子、娘もすべて失ってしまったヨブの嘆きは想像もできない。震災や事故による突然の出来ごとに誰でも言葉を失って唖然とするしかないだろう。昨日の竜巻で被害にあった方も「何が起こったのかわからない」と答えておられた。 報告を受け「ヨブは立ち上がり、衣を裂き、髪をそり落とし、地にひれ伏して言った」と20節は記し、21節はヨブの讃美の言葉を記す。 「すべて神から賜ったものですから、それを神が取り去っても、その事で人間が異議をはさむことができないことをヨブは知っていました。ですから、神を呪うことも不満を言うこともしなかったのです。神だけが主であって、この世の有様は過ぎ去るのです。そうして、ここに賛美の言葉が出ました。」と井上牧師は説かれている。 Uさんは手術後の痛みに絶えられず、ナースコールにすがり救いを求めた。ようやく祈ることができたのは、傷が落ち着いてきた頃だったと笑って話された。ヨブの祈りに到達するには時間がかかる。


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