「光あるうち光の中を歩め」 トルストイ作 原久一郎訳 (新潮文庫) 豪商ユリウスと、その親友でキリスト教徒パンフィリウスの物語です。 トルストイの晩年の思想が端的に示されている作品です。 新潮文庫から出ています。初版は1952年。しかし、分かりやすい訳でした。 訳者の原久一郎氏は、「カラマーゾフ」等を訳している原卓也氏のお父様。
舞台は古代のローマ。トラヤヌス帝の御代のこと。主人公は、二人の友です。 二人は青年期に、同じ哲学者のもとで学び、その後別々の道を歩みます。 ユリウスは豪商の息子。贅沢三昧をして暮らし、酒と女におぼれました。 生き方を反省したユリウスは、親友のもとへ赴こうとしますが・・・ 一方、パンフィリウスは、キリスト教徒として、集団生活を送っていました。 しかし当時は、キリスト教徒を信仰すれば、処刑されるならわしでした・・・ この2人、ユリウスとパンフィリウスとの問答が、大きな部分を占めます。 そして、この問答の中に、トルストイの考え方がよく表れています。 私には、パンフィリウスの語るキリスト教的生活は、ピンときませんでした。 あまりにも理想的すぎるように感じました。 むしろ、ユリウスによるキリスト教批判の方に、説得力を感じてしまった。 私自身が、俗世間にどっぷりつかっているせいでしょうか。 さて、この本を手に取った理由は、「クオ・ワディス」に対する興味からです。 シェンキェーヴィチの「クオ・ワディス」は、ネロの時代。 トラヤヌス帝の50年ほど前です。 同時に、「ローマ皇帝伝」も読んでみたいです。 さいごに。(7歳の誕生祝い) 娘の7歳の誕生祝いを、少し前倒しして、昨日行いました。 ケーキは、ユーハイムの赤頭巾ちゃんシリーズ。 食べるのが、もったいないようなケーキでした。↧