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「豪快! 両国夢想」第6話「神なるもの」その27

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「これで一息つけそうですね」 萌からそう言われた逸鬼は、 跪(ひざまず)いた蓮華王の肩まで 軽快に飛び上がった。 「いいえ。 パーシングは独断専行したんだと思います。 そうなると、 江ノ島要塞を占拠した戦力は 国道134号線を東に進み 稲村が崎から旧市内へと進行するはず…」 高徳院の大仏を中心とした完全機械化兵団があるとはいえ、 長谷観音を動員して鉄観音を強化しただけに、 西側の守りに少し不安を感じた萌が、 「じゃあ稲村ガ崎要塞に急がないと――」 と言いかけると、 ふたりの会話をさえぎるように、 ディスプレイに敵接近を知らせる 警報ウィンドウがポップアップした。 鎌倉市の地図が表示されたウィンドウの中には、 市松人形の華子さんがいて、 海岸線を走る国道134号線を北に折れ、 手広方面に向かう県道304号の上に 赤い矢印が明滅していた。 130831i1 のコピー.jpg 「は…華子さん!? 蓮華王に取り込まれちゃったの?」 悲しそうな表情で聞いてくる萌に、 「萌…そんな顔しないで。 私のボディは蓮華王とひとつになって 私はOSのインターフェイスになった。 以前と違うのは身体の大きさだけ…。 それにこれなら、萌といっしょに戦えるし、 私は凄く満足」 今までよりずっと饒舌になった付喪神(つくもがみ)の華子が答えた。 つづく


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