多くの場面で視点を故意に不明確にしている。それは読者に混乱を味合わせる文学的なもくろみではなく、作品世界の構造上必然的なものだった。 一章ごとに新しい世界が開けてくる。だがその世界は容易に理解できるものではない。 分かりにくいところもまるごと飲み込んで、じっくり最後まで読んで行こう。そういう読み方ができる人だけが楽しめる作品だ。
赤目姫の潮解 LADY SCARLET EYES AND HER DELIQUESCENCE
- 作者: 森 博嗣
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2013/07/25
- メディア: 単行本