中村航さんらしいやさしさに満ちた作品でした。
離婚した両親が仲直りしふたたび家族4人で暮らすことを夢見る航一は、ある噂を耳にする。九州新幹線開通の日、博多から南下するのと鹿児島から北上するのと2つの列車がすれ違う瞬間、奇跡がおこるというのだ。航一は弟の龍之介を誘い、奇跡を見ようと計画をめぐらすのだった。「誰も知らない」の是枝裕和監督の新作映画を『100回泣くこと』の中村航がノベライズ。2つの才能が結びついた傑作少年文学の誕生。
(出版社HPより)
航一と龍之介の兄弟を中心に、鹿児島の友人の真とたすく、博多の友人のれんとと恵美とかんなの小学生たちを周囲の大人たちが温かく見守ります。
冒険心とか家族を想う気持ちとか奇跡を願う想いとか、小学生の純粋な気持ちが丁寧に描かれています。
中村さんの文章はそういう物語にマッチするように思います。
ボリュームの関係上、登場人物たちの深堀りがされなくて物足りなかったのが残念でした。
映画のノベライズなんですね。九州新幹線開通に絡めた家族もの、成長ものでしょうか。
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