『職場の理不尽』 石原壮一郎・岸良裕司 2012/09
著者はコラムニストと経営コンサルタント。 職場の理不尽についての新聞紙上での相談をまとめた本。
ありがちな話、と思うと同時に、こんなんで日本は大丈夫かと心配になる。
できない上司、働かない上司、いばる・怒鳴る・忘れるという上司などについての相談への回答コメントは、だいたい「適当にあしらうように」という趣旨になっている。
女性管理職が全員社長の「お手つき」という会社で出世できない女性社員の相談には、「お客様」を大事にして転職先の候補にしろとのコメント。ダメな管理職を抱えて通用するほど世間は甘くない。
飲食業で客よりも自分の合コンを優先する社長の下で働く社員の相談にも、逃げてしまってはいかがと述べている。
忙しい、サービス残業なども典型的な相談内容。仕事を絞れ、業務の全てが必要なのか見直せとのコメント。
「まっとうな会社で、このままでいいのかと、将来について漠然と不安を感じる」、「独占企業で暇。皆派閥争いと出世とゴルフにしか興味がない」という相談もある。
石原は、結局職場の悩みは、人間関係、自分への評価、出世の三つに尽きると述べる。
岸良は、人や会社の成長を阻むのは「人のせい」にする思考法だと述べる。また、人はやることで生じるマイナスには敏感だけど、やらないことで生じるマイナスを過小評価しているという。
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