17:49:34 rokkaku-bridge 08/23/2013
五月だつ墓の住処
むだがウラジオストックに拡がった
波の向こうに
ことばがあるよ
軍人たちはそう云って
湾外に停泊した
検査されない
だとしたらNくんは立派な星屑か
孫娘たちはそれぞれ違うんです
行け袋は破れ
横須賀は裸にさえなれない
もう法人を
しつける森が枯れている
牛乳センチメンタルを吐く
赤い積乱雲に乗ってあるいは乗りそこねてレンズの
闇のなかで
問題の美しさを影でかたどった
視えない
ぼくの病名は
ことばにしたくない
となりの街がぼくの生まれたところ
思想上の妹となんの関係もない、できなかった
煙草をすいたいとキャタピラの妻に云う
じゃまたね
硝子戸をしめてへその緒をむすぶ
許されるなら
あたたかい編目のキャベツの芯がよい
五月だつ墓の住処を消されて
やがて夏のマフラーの匂いたつオートバイは白く病い
声高にもくせいのデクレッシェンドを知る
そのの向こうにほっとけ海溝がある
わかい頃はみんな奪った
思い出すころにみなが奪った
ブルースは撓垂(しなだれ)れた弟の妻にすいこまれつつある
ふたたび日記など、Nくん
さいはつしたら煙草をすっていいわよと云う