「フィレンツェ」 高階秀爾(たかしなしゅうじ) (中公新書)
15世紀におけるフィレンツェ美術の黄金時代を、分りやすく解説した本です。
著者の高階氏は、西洋美術の大御所です。
文庫本ではありません。中公新書です。
1966年に出て、現在もロングセラー継続中。
15世紀の初頭、フィレンツェから、ブルネレスキやドナテルロなどが出ました。
やがて、ボッティチェルリ、ダ・ヴィンチ、ミケランジェロなども活躍し始めます。
こうして、フィレンツェ美術は、他国に先駆けて黄金時代を迎えました。
にもかかわらず、その世紀の終りには、あっけなく衰退していたのです。
フィレンツェは、なぜルネサンス美術の栄光を、手に入れられなかったのか?
この謎に焦点を当てて、解説したのが本書です。
副題は、「初期ルネサンス美術の運命」。
とても分かりやすくまとめられています。
ひとつだけ難点を言えば、歴史の流れと美術の流れが分けられている所です。
私としては、歴史の流れの中で、美術の流れを示してほしかったです。
ところで、私にフィレンツェブームが来たのは、2年ほど前のこと。
当時、マキャベリとチェーザレに、はまっていました。
「わが友マキアヴェッリ」 → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2011-08-09
「昔も今も」 → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2011-07-12
「チェーザレ・ボルジア」 → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2011-07-16
その後、「前世への冒険」で、フィレンツェブームが決定的となりました。
そういえば、本書「フィレンツェ」には、デジデリオの記述もありました。
「前世への冒険」 → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2012-08-17
さて、高階氏の著作に初めて接したのは、大学時代です。
岩波新書の「名画を見る眼」(正・続)を、学生協の購買で買いました。
絵画に目覚め始めた私に、その鑑賞の仕方を分かりやすく教えてくれた本です。
当時480円だったこの本が、735円となった今も、ロングセラーを続けています。
さいごに。(家族旅行)
山梨の三景園というキャンプ場の、バンガローに2泊しました。
武川の川遊び場に近くて、甲斐駒ケ岳が見える、すばらしいキャンプ場です。
敷地内はきれいで、スタッフの方は親切でした。オススメです。
三景園 → http://sankeien-camp.com/guide/index.html
3日間、家族3人、いろんな場所で川遊びをしました。楽しかった!
これが、我が家の、この夏(今年?)最大のイベントでした。