そごう横浜店のそごう美術館で開催中(〜9/1)の「幽霊・妖怪画大全集」
大全集と銘打つだけあって、充実の展示。
福岡市博物館の所蔵品だが、吉川観方のコレクションを収蔵しているとの事。
妖怪に興味があったから見に行ったので、実は幽霊画はちょっと怖いなと思っていました。
ところが、実際に見てみると幽霊画というジャンルが分かりやすく展示してあっておもしろかったです。
基本、恐怖を感じるようにおどろおどろしすぎる演出というより、美しい感じのものが多かったですし、他には、人生のはかなさを訴えるような枯れた感じの作品もありました。
そりゃー、絵師は絵を見てもらって買ってもらわなければいけないから、情念と恐怖、怨念満載の絵(呪われそう!)ではなく、何かしら美や哲学を盛り込んだ、という感じなのでしょうか?
よく鑑定団で名まえが出てくる、円山応挙が幽霊画をたくさん描いているようで、びっくり。
ただ、鑑定団の先生的に言うと、応挙にしては云々…と言いたくなるような印象。
カタログを買わなかったので、誰の作品か分からなくなっちゃいましたが、後妻の首をくわえた先妻の幽霊の絵がキレイで迫力がありました。怖さも抜群!
この男性バージョン的なの河鍋暁斎の「幽霊図」も恐ろしい感じ。
夏休みだからお子さんも来てたけど、このへんはさすがに怖かったのでは?大丈夫なのかな?
私が子どもだったら泣くかも……。
妖怪編では伊藤若冲の「付喪神図」が独特の筆致で際立っていました。やっぱ若冲はおもしろい!
そして、歌川広重の版画「平清盛怪異を見る図」はドクロがかくし絵になっていて面白かったです。
展示では、歌舞伎のシーンに登場する怪異や妖怪を描いた版画が多かったのですが、歌舞伎には詳しくないので、せっせと解説文を読んで鑑賞するので、全体的に人の流れはゆっくりでした。
版画の中でも、歌川国芳の「相馬の古内裏」は出色ですねー。
そして、真珠庵本が元になっているらしい、尾形守房の「百鬼夜行絵巻」も妖怪たちがユニークで素敵でした。
↧