■英文多読に挑戦(474冊目)
Author : Neil Gaiman
Series :
YL=4.2、単語数=30653、ページ数=208、☆4.0
[Kindle Edition]
Coralineが両親とともに引っ越して来たのは古い屋敷の1フロア。
新学期が始まるまでは何もする事がない彼女だが、
仕事が忙しい両親はかまってくれず、家の中や周囲を探検したり、
別のフロアに住む奇妙な住人の相手をしたりして過ごす。
しかしそれもすぐに飽きてしまい、父親の料理も酷くて彼女は不満だらけ。
Coralineは書斎の隅に使われていない扉を見つけ、母親に鍵を開けてもらうが
そこはレンガで塞がれている壁があるだけだった。
ところが次の日に彼女が扉を開けると向こう側には真っ暗な空間が開け、
彼女はその中に入る。
そこにはCoralineの住む屋敷とそっくりな空間があり、
ボタンの目をした「別の母親」や「別の住人」達が住んでいて、
彼女が望んでいた美味しい食事や面白いショーを提供してくれた。
「別の母親」はCoralineに対して望むものが何でも手に入るこの別の世界で
暮らすように迫る・・・
・・・
Neil Gaimanは独特なダークファンタジーでタドキストにも人気の作家です。
トワイライトゾーンタイプのホラーが大好きな私はいつか読んでみたいと
思っていたのですが、彼の作品の中でも(絵本を除けば)一番難易度が低そうな
この本をようやく手にすることが出来ました。
物語の前半は淡々と進み、短いセンテンスで同じようなフレーズが繰り返される
特徴のある文体によって恐怖心が徐々に煽られ、
後半は異世界に捕らわれたCoralineがどうなってしまうのかが気になって、
つい先へ先へと読み進めてしまいます。
英文自体はそれほど難しくないのですが、時折出てくる独特な形容詞や副詞に
ちょっとつまずいてしまって、読み返すこともしばしば。
(単に私の英語力が足りないだけかもしれませんが。(^^ゞ )
この作品を読んでみると全編を通してある種の静けさを感じます。
後半はハラハラする場面も多く決して退屈な物語ではないのですが、
それでも「熱」はあまり感じられません。
そこがこの作者の文体の特徴なのでしょうが、
読んでいて気付いたのは主人公のCoralineはとても気持ちが強い女の子で、
どんな状況にあっても決して scream しないんですよね。
これがホラー映画よろしくキャーキャー言って逃げ回ったら印象もだいぶ変わる
と思いますが、彼女の落ち着きがこの物語を静かな印象にし、
それがかえって読者の恐怖感を高めているような気がしました。
Coralineって変な名前だなあ、そりゃあ皆 Carolineと間違えるよな。
と思ったのですが、実はその呼び間違えが現実世界と異世界の区別をする
ひとつの要素になっている演出はさすがだと思います。
巻末の作者インタビューでCoralineになった理由がタイポだったというのも面白いですね。
ここまでの合計。474冊、単語数=4274879
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