「ニセ科学を10倍楽しむ本」山本 弘
世にあふれるニセ科学を会話形式でばっさり
読了日:2013.07.20
分 類:一般書
ページ:327P
価 格:1900円
発行日:2010年3月発行
出版社:楽工社
評 定:★★★★
●作品データ●
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テーマ : ニセ科学
語り口 : 会話形式
ジャンル: 一般書
対 象 : 小中学生~一般向け
雰囲気 : 易しい
ブックデザイン: 守先正、山原望
イラスト : 2号
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【100字紹介】
と学会会長がおくる、科学を装った「ニセ科学」の易しい入門。
中学生たちの会話から、ゲーム脳に血液型占い、
アポロや911陰謀説まで、世の中にあふれるニセ科学への鋭い視線を。
騙されないための情報リテラシー。 中学生向けくらいの、会話形式で軽く読める「ニセ科学」批判本。 著者は、トンデモ本を愛する趣味の団体・と学会会長。 SF作家とのことですが、残念ながら著作を読んだことはありません。 と学会自体は、菜の花も身近に会員がいました。 研究室時代、隣に座っていた助手さんが会員だったので。 まあ、あのノリなんだろうなあ、と思っていましたが、 本を読んでも、大体このノリだ、と納得な感じです。 というわけで多分、「と学会」らしい本。 登場人物は中学生の夕帆ちゃんに、 作家であってニセ科学を論破しようとてぐすね引いているパパ、 それからママ、友人の勇馬くん、青葉ちゃん、流菜ちゃんなど。 彼らの会話形式で全編が進みます。 取り上げているのは「水からの伝言」「ゲーム脳」 「買ってはいけない」「血液型性格占い」「動物や雲による地震予知」 「2012年人類滅亡」「アポロ陰謀説」などが独立章、 その他「マイナスイオン」「ゲルマニウムとトルマリン」 「永久機関、フリーエネルギー」「ホメオパシー」 「相対性理論は間違っている」「911自作自演説」 「インテリジェント・デザイン」等々。 盛り沢山、でもどれも結構有名なニセ科学ばかりずらり。 普段「あれはあんまりだ」と思っているものへ、 しっかり批判的視線を向けてもらえて、ちょっとほっとするかも? この手の、ある意見への筋の通った対抗意見は好きです。 もちろん、荒唐無稽だったり、感情論の批判は嫌な気分になりますが、 きちんとした理屈のあるディスカッションは面白いもの。 残念ながら、「ニセ科学」の見分け方のひとつに、 「訂正・修正を殆どしない、自説の矛盾をつく意見は検討せずに無視・抹殺してしまう」 というものがあるので、双方向にはならないのですけれども。 新たな情報を見かけたら、なるべく多くの意見を吟味する 「情報リテラシー」が重要だとあらためて感じさせられます。 批判する側される側、どちらがより正しく見えるかを判断するのは自分なのですから。 エピローグの中でも掲げられている「ニセ科学にひっかからないための十か条」で 「正しい科学知識を身につける」とありますが、これは基礎として重要。 でも、ちゃんとした科学者でも分野外にしゃしゃり出て、 ニセ科学を唱えだすこともありますからね…、 必要条件ではあっても十分条件ではないと心得て、 常に吟味し続け、批判や反論も真摯に受け止めて 考え方の更新をしていけるような柔軟な頭脳を保ちたいものです。 --------------- 文章・展開 : ★★★★ 簡 潔 性 : ★★★★★ 学 術 性 : ★★★ 独 自 性 : ★★★+ 読 後 感 : ★★★★ ---------------
中学生たちの会話から、ゲーム脳に血液型占い、
アポロや911陰謀説まで、世の中にあふれるニセ科学への鋭い視線を。
騙されないための情報リテラシー。 中学生向けくらいの、会話形式で軽く読める「ニセ科学」批判本。 著者は、トンデモ本を愛する趣味の団体・と学会会長。 SF作家とのことですが、残念ながら著作を読んだことはありません。 と学会自体は、菜の花も身近に会員がいました。 研究室時代、隣に座っていた助手さんが会員だったので。 まあ、あのノリなんだろうなあ、と思っていましたが、 本を読んでも、大体このノリだ、と納得な感じです。 というわけで多分、「と学会」らしい本。 登場人物は中学生の夕帆ちゃんに、 作家であってニセ科学を論破しようとてぐすね引いているパパ、 それからママ、友人の勇馬くん、青葉ちゃん、流菜ちゃんなど。 彼らの会話形式で全編が進みます。 取り上げているのは「水からの伝言」「ゲーム脳」 「買ってはいけない」「血液型性格占い」「動物や雲による地震予知」 「2012年人類滅亡」「アポロ陰謀説」などが独立章、 その他「マイナスイオン」「ゲルマニウムとトルマリン」 「永久機関、フリーエネルギー」「ホメオパシー」 「相対性理論は間違っている」「911自作自演説」 「インテリジェント・デザイン」等々。 盛り沢山、でもどれも結構有名なニセ科学ばかりずらり。 普段「あれはあんまりだ」と思っているものへ、 しっかり批判的視線を向けてもらえて、ちょっとほっとするかも? この手の、ある意見への筋の通った対抗意見は好きです。 もちろん、荒唐無稽だったり、感情論の批判は嫌な気分になりますが、 きちんとした理屈のあるディスカッションは面白いもの。 残念ながら、「ニセ科学」の見分け方のひとつに、 「訂正・修正を殆どしない、自説の矛盾をつく意見は検討せずに無視・抹殺してしまう」 というものがあるので、双方向にはならないのですけれども。 新たな情報を見かけたら、なるべく多くの意見を吟味する 「情報リテラシー」が重要だとあらためて感じさせられます。 批判する側される側、どちらがより正しく見えるかを判断するのは自分なのですから。 エピローグの中でも掲げられている「ニセ科学にひっかからないための十か条」で 「正しい科学知識を身につける」とありますが、これは基礎として重要。 でも、ちゃんとした科学者でも分野外にしゃしゃり出て、 ニセ科学を唱えだすこともありますからね…、 必要条件ではあっても十分条件ではないと心得て、 常に吟味し続け、批判や反論も真摯に受け止めて 考え方の更新をしていけるような柔軟な頭脳を保ちたいものです。 --------------- 文章・展開 : ★★★★ 簡 潔 性 : ★★★★★ 学 術 性 : ★★★ 独 自 性 : ★★★+ 読 後 感 : ★★★★ ---------------