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エンリコ・ソリト『シャーロック・ホームズ 七つの挑戦』(国書刊行会)

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先日は「これは実際にあった事件ですが関係者に迷惑が掛からないよう人物名は全て仮名にしています」と言い張るミステリを読みましたけれども、ホームズもののパスティーシュで必ず付されている「ワトソン博士の未発表原稿が見つかりました」という設定も好きです。 本書はイタリアで発見された手記から翻訳された、まだ知られていないホームズの冒険7編が治められています。見つかった場所が場所だけあってイタリアに縁のある事件が多数含まれているのが特徴です。。実在の事件や人物が思わぬところで顔を出す、山田風太郎の明治ものにも出てくる趣向が楽しいですね。本文中の注記も原注&訳注ではなく、「イタリア語版編者によるもの」「日本語訳者によるもの」ときっちり切り分けを貫いているのもポイントが高いです。 中でも巻末の「ピルトダウン人」は当時の出来事をいくつも絡め、短いながらもちょっとした歴史ミステリの味わいを醸し出しています。二重三重に仕掛けがあり、いろいろ語りたいんですけれどもあまり書くとネタバレになってしまうのでできないのがもどかしい作品です。 シャーロック・ホームズ七つの挑戦


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