TBS のドラマ「半沢直樹」は「オレたちバブル入行組」だけでなく こちらの作品も入れ込んだシナリオとなっているようです。 金融庁の嫌なヤツ、オネエ崎こと黒崎 駿一を、ラブリンこと片岡 愛之助さんが演じているそうで 面白い配役におもわず笑いがこぼれました。 (ドラマ自体は、見ていないんですけどね) 営業第二部に栄転し、仕事をしていた半沢さんに、頭取命令で妙な仕事が持ち込まれます。 運用で巨額の損失を出している取引先、伊勢島ホテルを担当し 金融庁捜査を乗り切って欲しいという依頼でした。 普通の人なら「ムリです」と逃げてしまいたくなりそうなこの仕事、 半沢さんの手にかかるとどのような結末を迎えるのでしょうか・・・。 本書は、半沢さんの担当する伊勢島ホテルの件と、同期の近藤さんの出向先である タミヤ電機の粉飾決済の件が、複雑に絡んだ構成となっています。 心の病で出世コースを外れた近藤さんが、出向先の不正に気付いて 社長と対峙していくうちに、本来の姿を取り戻してく様子が印象に残るお話でした。 2 作目だからか、オネエ崎の捜査は、半沢さんがきっと乗り切ってくれるに違いない という妙な安心感があり、結構軽く読んでしまったのですが 近藤さんは、見ていてはらはらするというか、放っておけない不安定なところがあります。 心の底なし沼に足を取られて深みには待っていく近藤さんの様子が ありありと想像できて、気の毒でした。 こんな状態で、妻子を養うために仕事をしなくてはいけないというのは大変です。 でも近藤さんと同じような状態で仕事をしている人って、結構多いのでしょうね、きっと。 また今回、バブル組はよく、団塊の世代の理不尽さを嘆いています。 誰のせいで、こんなことになったと思っているんだ、 お前らオッサンのせいじゃねえか、というボヤキがたくさん出てきます。 この世代の皆さんは、本当にそんなこと思いながら生きていらっしゃるのでしょうか。 私のような団塊ジュニアからしてみると、それでも正社員として就職できたバブル組は まだいいんじゃないの?まともな仕事につけなかった私たちのほうが悲惨だわ と思うのですが、どうでしょうね? みんな、隣の芝は青く見えるのかな・・・。 確かに、今年金をもらっている老人が、子どもの世代につけをなすりつけて 逃げてしまおうとしているように見えることは、疑いがありませんので 半沢さんたちはちょっと大げさにボヤいているだけで、実際その通りだとも思ったり。 どの世代も、何かしら別の世代のことをうらやましがったり、 自分の立ち居地が悪すぎると嘆いたりするのが普通のようです。 この流れで、行き着いた先が、次回作の「ロスジェネの逆襲」ってことなんでしょうか。 半沢直樹シリーズ第 3 弾である「ロスジェネの逆襲」は、昨年発表されているようですが こちらはまだ文庫化されていません。 もう少し待っていたら、文庫化されるかしら。 文庫化を待たずに単行本を買うか・・・今ちょっと悩んでいます。
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