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色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 村上春樹

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色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年
著者: 村上春樹
出版社: 文藝春秋
価格: ¥ 1,785
発売日: 2013/04/12
アカ、アオ、シロ、クロ、そしてつくる。 高校時代、僕らは、仲間であり、同志だった。 大学進学時、つくるは、ひとり東京へ行き、 赤松、青海、白根、黒埜の4人は、 地元名古屋に留まった。 大学2年の夏休み、 すべてが、変わってしまった。 4人は、つくるを排除した。 理由は、わからなかった。 かたい絆で繋がっていると信じていた友人たちに、 切り捨てられた事実。 計り知れない悲しみと、苦しみが、 つくる全体を包み、周りは暗闇と化した。 死を考える程、つくるにとって衝撃的な出来事だった。 大人になった今、沙羅と出会った。 つくるの中にある暗闇を、解決する為に、 沙羅は、4人の友人たちに会うべきだと言う。 「記憶に蓋をする事は出来る。 でも歴史を隠すことはできない。」 色を持たない多崎つくるは、 自分は、空っぽな人間だと、悲観していた。 14年経った今、彼らに会うことで、 それぞれの想いを知り、 苦しんでいたのは、自分だけではない事を知る。 人間、誰の心も複雑であり、 わだかまりを抱えたまま、 日々、生活している。 ふとした瞬間、それが心の大半を占め、影を作る。 納得したい事は、納得すればいいし、 蒸し返したくなければ、そうすればいい。 誰もが、自分の色を持っている。 自信と勇気を持つ事で、 今を生きる道が開けてくる。

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