まさかこんなにブレイクするとは思ってもみませんでした(←失礼) 本屋大賞の威力って凄いなー(笑) 「殺人現場では靴をお脱ぎください」「殺しのワインはいかがでしょう」「綺麗な薔薇には殺意がございます」「花嫁は密室の中でございます」「二股にはお気をつけください」「死者からの伝言をどうぞ」の短編6作と、「宝生家の異常な愛情」の掌編が収められています。 令嬢刑事×毒舌執事コンビの傑作ミステリ 国立署の新米刑事、宝生麗子は世界的に有名な『宝生グループ』のお嬢様。 『風祭モータース』の御曹司である風祭警部の下で、数々の事件に奮闘中だ。 大豪邸に帰ると、地味なパンツスーツからドレスに着替えてディナーを楽しむ麗子だが、難解な事件にぶちあたるたびに、その一部始終を相談する相手は”執事兼運転手”の影山。 「お嬢様の目は節穴でございますか?」 暴言すれすれの毒舌で麗子の推理力のなさを指摘しつつも、影山は鮮やかに謎を解き明かしていく―― 2011年本屋大賞受賞の大人気ミステリ。 書き下ろしショートショート収録! (出版社HPより) 東川さんのバカミスな作風としっかりしたトリックというミステリ作家としての実力は十分承知しているので楽しく読めました。 従来の作品ではおバカな主人公(探偵や一般人)がトラブルに巻き込まれてドタバタの末に事件を解決するというパターンが多かったのですが、この作品は一味違います。 主人公の宝生麗子は女性刑事――実は世界的コンツェルン『宝生グループ』の一人娘でお嬢様が出会う迷宮入りしそうな殺人事件を執事に話すとあら不思議、たちどころに解決してしまうという安楽探偵ものです。 しかもこの執事が解決編の前に必ず毒舌を吐く。 「失礼ながらお嬢様 - この程度の真相がお判りにならないとは、お嬢様はアホでいらっしゃいますか」 「ひょっとしてお嬢様の目は節穴でございますか?」 「失礼ながら、お嬢様。こんな簡単なこともお判りにならないなんて、それでもお嬢様はプロの刑事でございますか。正直、ズブの素人よりレベルが低くていらしゃいます」 「失礼ながらお嬢様、やはりしばらくの間、引っ込んでいてくださいますか」 「お許しください、お嬢様。わたくしチャンチャラおかしくて横っ腹が痛うございます」 設定のバカバカしさもあります。 宝生麗子もそうですが、彼女の上司である風祭警部は中堅自動車メーカー『風祭モータース』の御曹司です。警察の上層部はなにを考えているんだ?しかも風祭警部のトンチンカンな推理ときたら。なんで警部になれたのか…カネの力か? それにちょいちょい入れてくる小ネタもクスクス笑ってしまいました。 早く続編を文庫で読みたいー
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