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不思議の扉 時をかける恋

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不思議の扉  時をかける恋 (角川文庫)

不思議の扉  時をかける恋 (角川文庫)

  • 作者: 大森 望
  • 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
  • 発売日: 2010/02/25
  • メディア: 文庫



評価:★★★☆

タイトル通り、「時を超えるラブ・ストーリー」を集めたアンソロジー。

日本の作品5編、海外から1編の計6作を収録している。

順番に一言ずつ書いてみよう。

「美亜へ送る真珠」(梶尾真治)
 ちょっと日本SFに詳しい人に、
 「日本で書かれた時間テーマの短編SFで、傑作を一つ挙げてくれ」と言えば、
 おそらく非常に高い確率で名前が出てくるだろう作品。
  初読はおそらく30年前くらいに徳間ノベルスで出た
 「日本SF傑作選」だったと思う。
 あと、何年か前にハヤカワ文庫から梶尾真治の傑作短編集が出て、
 そのときにも読んでるはずだから、今回読んだのはたぶん三回目。
  で・・・三回目にして私は、内容(描写)で一つ勘違いしていたことに気づいた。
 とっても肝心なところだったんで、どこがそうだったのかは
 恥ずかしくてとても書けないんだが・・・
 いや、この作品は傑作です。改めてそう思いました(^_^;)

「エアハート嬢の到着」(恩田陸)
 この短編、長編「ライオン・ハート」の冒頭部分に当たるんだけど、
  長編の方はなぜか冒頭の数ページでくじけてしまったんだよね。
 で、このアンソロジーで「エアハート嬢の到着」を読んだんだけど
 けっこう面白そうじゃん、これ。
 もう一度、長編のほうにチャレンジしてみようかなと思ってる。

「Calling You」(乙一)
 乙一って、デビュー作しか読んでない。
 で、その影響か、てっきりホラー作家だとばかり思ってた。
 こんな詩情あふれるロマンチックな話も書けるんだねえ。
 編者は「短編の名手」って紹介してるので、他の作品も読んでみたくなったよ。

「眠り姫」(貴子潤一郎)
 いやあ、これは切ない。切なすぎる。
 編者は「美亜へ送る真珠」への"アンサーソング"的作品って紹介してるけど。
  どっちかっていうとこちらの方が救いがなさそうな気がする。

「浦島さん」(太宰治)
 すみません、私この話が全く分かりませんでした。
 このアンソロジーに入ってる理由は何となく分かりますが、そこまでです。
  すみません、頭が悪くて。

「机の中のラブレター」(ジャック・フィニィ)
 この作者の名前はよく聞くんだけど、今まで読んだことなかった。
 さすがにこのアンソロジーのトリを務めるだけのことはある。
 ラスト1ページの感動的な美しさ、そして切なさは、まさに絶品。


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