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『日本人として知っておきたい外交の授業』

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『日本人として知っておきたい外交の授業』 中西輝政 2012/08 日本人として知っておきたい外交の授業  著者は京都大学名誉教授。 日本人は国家観・歴史観が欠如しているという本。  松下政経塾での講義録に加筆修正した本。  構造改革をしても、民営化しても経済が再生しなかったのは、国家の基礎=憲法に問題があったから。このことから目を背けているから、何をやってもうまくいかないと述べる。  平成になって政治の世界ではそれぞれが目先の問題に目を奪われた結果、あたかも「新しいことは何一つしない」という合意があったかのような結果になった。実際にそんなことを口にした政治家はいないが、互いに打ち消し合って、結果政治はそのように動いた。  「中国共産党は潰れても構わない」、「共産党は入れ物にすぎない」というのが鄧小平の核心で、「中国を超大国にする」という目標を実現するまで保持すればよいとの考えだ。  国際政治学者ジョセフ・ナイは「アメリカは台湾を防衛できないので放棄すべきであり、その意思を中国側に伝えるべき」と述べている。アメリカで台湾放棄論を語るアジア専門家が増えているという。  長期的に見れば世界情勢は保護主義に向かっていると述べる。そのなかで日本に求められるのは、「絶対に日本でしかつくれないものを製造すること」だという。そのためにはノウハウの徹底した保護が大切。  日本政治の現状は、困ったときの維新頼み。「大阪維新の会」は大衆受けを狙っているだけという。そもそも明治維新は非民主的な手続きで、テロとクーデターであると述べる。  戦後GHQの指導で、楠木正成、乃木希典、東郷平八郎は絶対教科書に載せてはならない人物とされた。楠木正成を載せないということは、南朝=天皇=日本精神のよりどころを否定することだという。  手っ取り早く世界水準のインテリジェンス(情報あるいは諜報活動)や戦略的思考を身につけるには、「日本人であることをやめること」だという。日本人の行動原理では世界水準に永久に追いつけない。  政治や企業の組織のリーダーとなるには、「金融」「文明」「インテリジェンス」の教養が必須である。


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