12:23:48 mirai-kitaku 08/04/2013
硫黄島のボブ・ディラン
未来東京都北区と
現在東京府硫黄島は面積だけが似通っていると云う
この苦しさをソラに呪うか
さび始めた鉄の要塞を埋めて
咽喉に政府の膿みを沁みさせよ
凍える夏の犬のクリスマスを祝い
あたしあなたに偶然あたってしまう
体当たり
どこにも噴射するはずのない硫黄の臭いを
ボブ・ディランは
嗅いでいる
聞こえるたびにきみの能面はあたし
鬼畜人馬あなたそしてさびれた
硫黄採掘夫たちと二軒の飲み屋あなたたちも
蒸発してしまい父のもとに帰りました
真っ暗で
熱いです
日章旗も熔けてしまう
いつ迄も墓標はただれ
殺したい
生き残るものをぼくは殺したいと立ち上がり
老婆とにやり花を摘みながら
階段を落ちる硫黄の臭いを噛み突撃する
西竹一の
栗林忠道の映画やドキュメントを
視ています
そのようなこと
云うのではなかった
ボブ・ディランあのときのあたしは飲み込む
ことが叶わなくあのときの老婆につれ添われて
今あなたにやっと恋をしているラララ
この苦しさをウミに呪うか
最後の湿気だけを祝詞として巻き
金の怪獣の刀は去った
夢にまで視た
想像できぬアメリカに
破れたままの肺の交戦は
渡航するのだ祝えよ
ほんとうにあたしたちは英霊ですか
涙を血に乾かせる
あの人をついに歌う火
終の文字だけが
配船の略奪に就活し
今ヤ弾丸尽キ水涸レ 全員反撃シ
揺れ動く日本の時計はナイフのようだぜ
いま春の血を吐いている流刑の兵隊
カチコチと死んでいる此れが最後の電信となるでしょう
父島の皆さんそして未来東京のみなさん
さようなら