<パウロがこう弁明していると、フェストゥスは大声で言った。「パウロ、お前は頭がおかしい。学問のし過ぎで、おかしくなったのだ。」(24節)> アグリッパ二世の前でパウロは、自分は、夜も昼も熱心に神に仕え、その約束の実現されることを喜んでいるイスラエル12部族の信仰に連なるものである。自分はこの希望を抱いているために「ユダヤ人から訴えられているのです。」と話しはじめた。 そして「あなたがたは『神が死者を復活させて下さる』ということについて信じ難いことだと考えていますが、実は私自身も『ナザレ人イエスの名』にそのことが結びつけられた時、激しい反発を覚えてその道の人々を迫害する道に進んだのです。」と続けた。 次にパウロは自分の回心を語る。天からの光は彼を一時的に盲目の人にしてしまった。彼がその時聞いたことは、彼が迫害する人々とナザレ人イエスが一体だという主イエスの宣言であり、パウロを「ご自身の奉仕者、また証人とする」という召命であった。「彼らの目を開いて、闇から光に、サタンの支配から神に立ち帰らせ・・・」と主は続けられた。 「サタン」の大きな誘惑が二つありますと昨日の説教で語られた。一つは自分を卑下し自分の弱さをほじ繰り返し自分の欠点ばかり見つけ出す弱さ。もう一つはすぐに人を裁いてしまう弱さだと教えて頂いた。サタンの力は侮れない。 パウロは王を見上げ「アグリッパ王よ、私は天から示されたことに背かず、ダマスコ、エルサレム、ユダヤ全土、異邦人のすべてに悔い改めて神に立ち帰り、悔い改めにふさわしい行いをするようにと伝えました。・・・ ・・・メシアが苦しみを受け、また死者の中から最初に復活して、民にも異邦人にも光を語り告げることになると述べたのです。」と弁明した。 異邦人フェストゥスは大声でパウロの弁明を「お前は頭がおかしい」と遮った。パウロはそれを否むと王に「あなたは預言者たちを信じておられますか、信じていることと思います」と詰め寄った。王は「短い時間で私を説き伏せて、キリスト信者にしてしまうつもりか」と苛立った。 パウロは「時間の長短に関わらず、この話を聞かれた全ての方が私のようになって下さることを祈ります。このように鎖に繋がれることは別ですが。」と皮肉を込めて話を結んだ。
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