『かげぼうし』 安野光雅 作
発行所 冨山房 1976年7月 第1刷発行
作者のことば
およそ、何にでも影があります。
どんな影も黒くて、厚みや重さがありません。形だけでそれが何かわかるだけです。
もし、「影の国」というものがあったら、どうでしょう。世界じゅうの影という影があつまっているのですが、人口問題も人種問題もない、楽しい世界が想像されます。
影の世界では、どんなことに都合がよくて、どんなことに困るでしょう。いろいろ考えてみてほしいものです。
この絵本は、こんな想像を広げていったもので、二つの話が、最後に一つになるお話です。本当にあったら一度行ってみたいものだ、と思いながら、この絵本をつくりました。
(カバーより・原文引用)