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無意識という物語 近代日本と「心」の行方

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無意識という物語-近代日本と「心」の行方-

一柳廣孝/著
出版社名 : 名古屋大学出版会
出版年月 : 2014年5月
ISBNコード : 978-4-8158-0772-6
税込価格 : 4,968円
頁数・縦 : 261, 10p・22cm


 芥川龍之介と夢、無意識をめぐる文芸評論である。
 第1部では、明治・大正期の我が国における心理学・精神分析学の輸入の歴史を紐解く。特に、無意識の研究が催眠術・霊術へと流されていく様を具体的に描く。
 しかし、ここで重要な事件として「千里眼事件」をたびたび取り上げているが、これがどのような事件でいかに世間を騒がせたのかという点の解説がない。よって、この論文の重要な部分が空白のままである。どこかで詳しい説明があるものと、ずっと期待して読んでいたのだが。
 私は初耳なのだが、これは誰もが知っているべき重要な「事件」なのか?

【目次】
第1部 「無意識」の時代
 第1章 「霊」から「無意識」へ
 第2章 意識の底には何があるのか―催眠術・霊術の言説戦略―
 第3章 超感覚の行方―催眠術・千里眼・テレパシー―
 第4章 変容する夢
 第5章 「心理研究」とフロイト精神分析

第2部 芥川龍之介と大正期の「無意識」
 第6章 消された「フロイド」―「死後」をめぐる疑念―
 第7章 「夢を書く―「奇怪な再会」まで―
 第8章 「無意識」という物語―「海のほとり」を中心に―
 第9章 最後の夢小説―「夢」と「人を殺したかしら?」と―
 第10章 メーテルリンクの季節―芥川と武者小路実篤のあいだ
 第11章 怪異と神経―「妖婆」という場所
 第12章 さまよえるドッペルゲンガー―「二つの手紙」と探偵小説
 補論 「無意識」の行方―芥川から探偵小説へ

【著者】
一柳 廣孝 (イチヤナギ ヒロタカ)  
 1959年和歌山県に生まれる。1983年南山大学文学部卒業。1989年名古屋大学大学院文学研究科博士課程単位取得満期退学。名古屋経済大学専任講師などを経て、横浜国立大学教育人間科学部教授。

(2014/12/14)KG

〈この本の詳細〉
honto: http://honto.jp/netstore/pd-book_26188541.html
e-hon: http://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000033097437


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