『だから日本はズレている』 古市憲寿 2014/04
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著者は社会学者。 「おじさん」の勘違いはどこからくるのか、という本。
なぜ日本にはジョブズみたいなリーダーがいないのか。必要ないからだ。 強いリーダーがいなくても大丈夫なくらい、豊かで安定した社会を築き上げてきたことを誇ればいい。 こんな「危機の時代」に「強いリーダー」が必要だという認識はもっともに思えてくる。 しかし一人のリーダーが世界のあらゆる問題を解決してくれるなんて幻想以外の何物でもない。
日本の「クール・ジャパン」が迷走してしまう理由は、マーケティングと効果測定視点の欠如である。 「クール・ジャパン」のネタ元は1990年代に登場したイギリスの「クール・ブリタニア」だ。 何がクールかはその受容者が決めるものであって、日本が押し付けることではない。
自民党が復活させた道徳副教材「心のノート」は、脈絡もなくポエムや標語、社会批評が、下手なイラストと共に最後まで続く。 自民党が2012年に作った「憲法改正草案」もまたポエムのようなものだ。ポエムというか90年代J-POPにそっくりなのである。
情報が全て電子化され、それが全て指紋に登録されたら、僕たちは財布を持つ必要がなくなる。買い物をするときは指先をかざすだけでいい。ポイントカードも健康保険証、運転免許証も必要なくなる。 こんなに素敵で便利な「監視社会」。
企業が実は真剣に考えなくてはならないのは、ソーシャルメディアの影響力の低さ。マスメディアを使った広告宣伝の代わりには、決してならない。「マスメディアの時代は終わり、次はネット時代だ」と言われる。それ自体が一つのメディアが世の中を多い尽くす、というマスメディア時代の発想。
「社会人」は日本にしかいない。「入社式」「社会人」を英語に翻訳するのは難しい。日本に独特な概念。入社式が準備されないフリーターたちは「社会人」ではないと見なされ、社会保障などの面でも差を付けられる。
格差社会のもと、その不幸ばかりが喧伝される若者だが、その生活満足度は約8割にも及ぶ。この数十年で見ても最高水準の数値である。今後の見通しについても「悪くなっていく」は7.8%しかいない。それが40代になると19.3%、50代では31.4%が「悪くなっていく」と答えている。
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