「三浦半島フィールドノート―野歩き・海遊びのススメ」
著者:園田幸朗
発行:清水弘文堂書房
園田幸朗(そのださちろう)氏の作品。
1933年、東京生れ。
葉山小学校、関東学院中・高等学校、東京都立大学卒。
鎌倉市立の中学校と香港日本人学校で理科教育に専念。県立教育センターでは教員研修を担当した。
87年、自主退職し、三浦半島の自然を紹介するナチュラリスト活動を始める。
三浦半島の自然観察会講師、鎌倉市教養センターでの植物画指導のかたわら、植物画の個展を開くなど、幅広く活動。
著書に「野遊び図鑑」「磯遊び図鑑」(創森社)がある。
2009年11月、逝去、享年76。
本書は、三浦半島を愛してやまない著者の小さな頃の大事な思い出、住み始めてから刻々と変わる景色、見かけなくなる生き物、初夏の浜辺を飾る海岸植物などのことが書かれたエッセイである。
各項目に著者が描いたイラストが掲載されている。
著者によると、三浦半島の潮の干満を調べると、春から夏にかけては昼間の引き潮が大きく、秋から冬に夜中の引き潮が大きいという。
冬の夜、懐中電灯やカンテラを持って磯へタマ(スガイやクボガイ)などを採りに行くことを「夜潮に行く」と言うらしい。
特に夜景が美しいのは真冬の満月で、強い月光に照らされた磯には、巻貝やイソギンチャクの活動を見ることができ、雪をかぶった富士とその両側に続く青い山脈(丹沢、箱根、伊豆半島)が月光に映え、幻想的な世界をみることができると書かれている。
俳句を置かせて頂く。
源義の碑火の島あたり冬かすみ 角川照子
↧