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池井戸さんの懐の深さ。

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日曜夜TBSでやってるドラマ「半沢直樹」が面白いと世間で評判になってます。

原作になってる池井戸さんの小説オレたちバブル入行組 (文春文庫)がいいんですよね。

金融界のシリアスな話と水戸黄門的なベタ展開がうまく融合されている

これぞエンタメ小説って感じです。

でも池井戸さんは同じ金融世界を舞台にした

短編集かばん屋の相続 (文春文庫)では、
一転して人間ドラマに焦点を絞った

じっくり読ませる作風を披露されていています。

P1020553.jpg

そんな幅広い作風の池井戸さんの
民王 (文春文庫)を読みました。

こちらは政治が舞台で「半沢直樹」同様、

政治のシリアスなエピソードを期待したのですが

そちらはちょっと淡泊。

ストーリーも総理と就活中の大学生である父子が

ある組織の策略によって人格が入れ替わってしまうという

漫画のようなぶっ飛んだ展開。

大筋もかなり大味でご都合的です。

でも、その中で入れ替わった父子が

それぞれ逆の立場で正論を吐くシーンは

「半沢直樹」同様にスカッとしますし、

なぜかジーンとさせられます。

そして破天荒な話なのに、

読者に静かに訴えるものがあります。

あらためて池井戸さんの懐の深さを知った1冊でした。

 

 

 

 


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