「巨大人型兵器だと…」
さすがのパーシングも一瞬たじろいだものの、
すぐに気を取り直すと、
「大きければ、
その分動きは鈍くなるものだっ!」
と言い放つと同時大地を蹴って猛スピードで萌に肉薄してくる。
その動きを封じるように、
鉄観音が回し蹴りを放った。
パーシングにヒットしたかに見えたが、
間一髪身を捻ってかわしたパーシングだが
その反動で動きがままならず、
軍用ブーツをスリップさせながら湖岸ギリギリのところで止まった。
「くっ…」
「象のIPS細胞とカーボンナノチューブを
融合させて作った鉄観音の人工筋肉!
その反応速度は
テニスプレイヤーのそれを越えていますっ!
パーシング元帥、
観念して投降するのです!」
それを聞いて不敵に笑ったパーシングは、
「我が軍に投降などという概念はない!
ただ神の御心のままに前進あるのみだ!」
と絶叫ぶと再び萌に向かって突進してくるが、
横合いから逸鬼が牽制するように飛び出してきた。
パーシングの動きが一瞬鈍ったと見てとった萌は、
片手に鉄観音の操縦者用カードキーを掲げて、
「鉄観音! 私を操縦室へっ!」
と言うと、鉄観音の手が萌の前に降りてくる。
萌がその手に乗ると、
操縦室へ通じる扉のある首の脇まで持ち上げた。
つづく
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