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響きと怒り2

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 「響きと怒り(下)」 フォークナー作 平石・新納(にいろ)訳 (岩波文庫)  ジェファソンの名家コンプソン一族の没落を、4人の視点から描いた作品です。  前回の続きです。

響きと怒り (上) (岩波文庫)

響きと怒り (上) (岩波文庫)

  • 作者: フォークナー
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2007/01/16
  • メディア: 文庫
響きと怒り (下) (岩波文庫)

響きと怒り (下) (岩波文庫)

  • 作者: フォークナー
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2007/01/16
  • メディア: 文庫
 第3章に入ると、語り手は次男のジェイソンに移りました。  ホッとしました。ようやく理解できる(まともな?)文章になりました。  ジェイソンは、ひねくれた男で、根性が曲がった嫌なヤツです。  でも、私は好感を持ってしまった。彼の言葉は、ちゃんと理解できたので。  そして第4章に入ると、客観的な文章になり、物語の全貌が見えてきました。  第1章や第2章で、文章と格闘してきた苦労が、やっと報われた気がしました。  しかし、私がこの小説について感じたことは、「パズルだ」ということです。  最後に、「解けた!」という喜びはあるものの、ただそれだけ。  確かに衝撃的な作品ですが、魂を揺さぶる何かが発見できたわけではない。  読み終わったときの余韻はなく、「だから、なに?」と思ってしまいました。  それはおそらく、私が文章をうまく理解できなかったからだと思います。  第1章と第2章を、読み飛ばしてしまったせいもあるかもしれません。  何年かのちに、2回目を読んだときに、目からウロコになるといいのだけど。  さて、今回も、まだ読んでいない人に、アドバイス。  ぜひ下巻の付録「コンプソン一族」を先に読んで、予備知識を付けましょう。  「そんなことしたら、ネタバレだろ」と、言う人もいるかもしれません。  しかし、かつてフォークナー自身が、これを序文にしようと考えていたという。  それにしても、やはり第1章は、やりすぎだったのではないか。  作者の意図は分かるけど、ここまでやったら芸ではない。遊びですよ。  この作品の魅力は、私にはよく理解できませんでした。  でも、フォークナーはもう少し読み進めたいと思います。  幸い、新潮文庫から、「サンクチュアリ」「八月の光」が出ています。  そして岩波文庫からは、名作「アブサロム、アブサロム!」が出ています。 
サンクチュアリ (新潮文庫)

サンクチュアリ (新潮文庫)

  • 作者: フォークナー
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1955/06/01
  • メディア: 文庫
八月の光 (新潮文庫)

八月の光 (新潮文庫)

  • 作者: フォークナー
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1967/09/01
  • メディア: 文庫
アブサロム、アブサロム!(上) (岩波文庫)

アブサロム、アブサロム!(上) (岩波文庫)

  • 作者: フォークナー
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2011/10/15
  • メディア: ペーパーバック
 さいごに。(お化け屋敷でリタイヤした理由は)  娘たちがお化け屋敷に2度入り、2度ともリタイヤしたことを、前回書きました。  2回目にわずか1分でリタイヤしたのには、次のような事情があったのです。  娘たちと一緒に入った大人が、暗闇でいきなりこけて、娘たちにぶつかった。  娘たちはびっくりしてパニックになり、慌てて入口から出て来てしまった。  理由は何であれ、お化けが登場する前に、逃げ帰ってしまうとは・・・

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