ヘニング・マンケル著「殺人者の顔」を読了。
先日紹介した「北京から来た男」の著者:ヘニング・マイケルの出世作ヴァランダー警部シリーズの第一作。
このシリーズの最大の魅力は主人公のヴァランダー。
特に天才的な推理力があるわけでもなく、容姿も冴えない中年男。家庭に悩み事を抱え、酒を飲んでトラブルを起こす・・・日本の普通のリーマンとも重なる部分が多く、等身大の主人公です。
ある意味、いいとこ無しのダメオヤジっぽいのですが、仕事に関してはくそ真面目で、正義感溢れる人物であり、この作品を読んだ誰もがヴァランダーを応援したくなると思います。
このシリーズの舞台は、スウェーデンの最南部の田舎町イースタ。
本作では、その近くの村で農夫が惨殺され、虫の息だった妻も病院で「外国の」と言って息を引き取ります。怨恨か、金銭がらみの諍いか、動機も定かではない殺人事件の捜査に、わずかな手がかりを元にイースタ署の刑事たちの地道な捜査が始まります。
その、背景にはスウェーデンでの国際事情も絡み重厚な作品に仕上がっています。
スウェーデンの新しい警察小説の歴史が本書から始まったと言っても過言ではありませんね。
ということで、現在ヴァランダーシリーズの第二作「リガの犬」を読んでいます。すっかり、このシリーズのヴァランダー警部のファンになってしまいました。
あらすじ:雪の予感がする早朝、小さな村から異変を告げる急報が入った。駆けつけた刑事を待っていたのは、凄惨な光景だった。無惨な傷を負って男は死亡、虫の息だった女も「外国の」と言い残して息をひきとる。地方の片隅で静かに暮らしていた老夫婦を、誰がかくも残虐に殺したのか?イースタ署の面々が必死の捜査を開始する。スウェーデン警察小説に新たな歴史を刻む名シリーズ開幕。
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【読書日記23】殺人者の顔@ヘニング・マンケル
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