銀色 夏生さんが最新のつれづれノート「草の穂をゆらす」で「読んで面白かった」と 感想を述べていらした本です。 朝日新聞土曜別刷「be」で連載されている「悩みのるつぼ」では現在、 岡田 斗司夫さん、美輪 明宏さん、金子 勝さん、そしてこの書籍の著者上野 千鶴子さんが 各々のバックグラウンドを武器に、さまざまなお悩みにこたえていらっしゃるようです。 その中でも社会学者上野さんに寄せられる相談は、「身の下」つまり 下ネタが多いそうです。 朝日新聞の悩み相談といえば、中島 らもさんの「明るい悩み相談室」が好きだったのですが 沖縄に来てからは朝日新聞を読んでいませんでした。 悩み相談室、こんなコーナーになっていたのですね。 本書は以下の 7 章で構成されています。 第 1 章: 身の下からわきあがる欲望 第 2 章: 家庭の外にあるエロス 第 3 章: 困った夫、困った職場 第 4 章: 母が嫌いでもいいですか 第 5 章: 子離れできない親たち 第 6 章: 自分が愛せない私 第 7 章: 私の人生は何だったのか? すべて並べてみると、悩みは身の下だけではないことがお分かりいただけると思います。 どのような悩みにも、上野さんは真面目に、しかもユーモアも交えて答えていらっしゃって 普段、人の悩みについては毒舌でバッサリ切り捨てる私が読むと、神の域に達していらっしゃいます。 人の悩みって、傍から見るとアホらしいことが多くて 悩んでいるのは本人だけで、この人悩むのが趣味なんじゃないか?と思うことが良くあります。 こういう私には、もちろん、悩みを打ち明ける人なんているはずもなく 身の上相談とは縁のない生活を送っていますので、きちんと悩みに解決策をだし 行間に隠れた本当の問題を言い当てている(ように見える)上野さんてすごいなと思いました。 この本を読むまでは、私の中での上野さんのイメージは、ずいぶん違ったものでした。 たまにテレビに登場される上野さんはすごい毒舌の人だし、 以前読んだ辻井 喬さんとの対談 「ポスト消費社会のゆくえ」では 人間のできた辻井さんが上野さんに合わせてくれている雰囲気がにじみ出ていたので 上野さんが悩みの相談にのってくださることが意外でした。 そういうわけで、けっこう新鮮さを感じながら、あっという間に読んでしまいました。 気楽に読めます。ですが悩み相談なので、 自身が悩んでいるときにはあまり読まないほうがいいかも?
↧