■ヒトコト感想
「鴨川ホルモー」のサイドストーリー的短編集。本編では脚光を浴びない、ホルモーに参加していたその他の人々に焦点を当てた作品。ホルモーという特殊な競技に参加する者たちは、どこか特殊なのだろう。その特殊具合が、ヘンテコなエピソードと共に語られている。最も印象に残っているのは、間違いなく二人静だ。
ホルモーに従事する非モテ系の女二人。大学生になれば恋人ができるという幻想を持った二人が現実に直面し、非モテ街道をひた走る。そこにホルモーという特殊な競技が加わると、二人静はさらに特殊なものとなる。京都、非モテ、孤高な雰囲気と、まさにホルモーらしさが最も表現されている短編に思えて仕方がない。
■ストーリー
このごろ都にはやるもの。恋文、凡ちゃん、二人静。四神見える学舎の、威信を賭けます若人ら、負けて雄叫びなるものかと、今日も京にて狂になり、励むは御存知、是れ「ホルモー」。負けたら御存知、其れ「ホルモー」。このごろ都にはやるもの。元カレ、合コン、古長持。祇園祭の宵山に、浴衣で駆けます若人ら、オニと戯れ空騒ぎ、友と戯れ阿呆踊り。
四神見える王城の他に、今宵も干戈の響きあり。挑むは御存知、是れ「ホルモー」。負けたら御存知、其れ「ホルモー」。古今東西入り乱れ、神出鬼没の法螺試合、若者たちは恋歌い、魑魅魍魎は天翔る。京都の街に咲き誇る、百花繚乱恋模様。都大路に鳴り渡る、伝説復古の大号令。
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