「インポッシブル」 原題: Lo Imposible/The Impossible
2012年/スペイン、アメリカ/113分 @WOWOWシネマ
監督:J.A.バヨナ 主演:ナオミ・ワッツ、ユアン・マクレガー、トム・ホランド
2004年スマトラ沖地震に伴う大津波に巻き込まれたスペイン人一家5人が、奇跡の生還を果たした実話を再現した映画。クリスマスのバカンスをリゾートで過ごそうとタイのプーケットにやってきた夫婦と男の子3人。ホテルのプールで遊んでいたときに巨大な津波が押し寄せる。その映像は余りにもリアル。からくも生き延びた母親と長男は、地元の人たちに助けられ病院に。自身も医師である母親は重傷を負いながらも、自分は大丈夫だからと、長男に何か人の役に立つことをしなさいと言う。彼ははぐれた人を探す手伝いに走り回るが、戻って見ると母がいない。後で別人と間違えられていたことが判明するが、それまでの一人になってしまった彼の心情は余りにもかわいそうだ。その後父親と二人の弟とも文字通り奇跡の再会を果たす。そして保険会社がチャーターした(?)飛行機でシンガポールに脱出する。いったいどんな保険に入っていたのかと思うが、これもまた事実なのだろう。この映画の主役というか一番の功労者は、なんといっても長男ルーカスを演じたトム・ホランドだと思う。母親に甘える少年から一転、母親を守らなければとそのけなげさが見事。見知らぬ被災者同士が助け合う場面もあるが、思わず目をそむけたくなる場面も多々ある、見ていていささか苦しい映画。なお、この津波ではインドネシア、タイ、スリランカ、インドなどで28万を超える人が亡くなったり行方不明になっている。