暗闇の果てにほのかに明るく
白い残雪が時として
僕の脳裏をかすめる……それが
君の庭先の桃やら
辛夷の花が咲き始めるのも近い
春の訪れを知らせるような
青空の下で語ろうとしたことの
名残だったとしても
おお僕たちの今日の痛みは
皮膚と皮膚が裂けるような痛みは
そのせいではあるまいに
友よ 君には信じることができまい
僕たちを覆う湿った陰謀を あるいは
空無への情熱を
だが僕にはほとんど可視領域の
細菌どもが
今日もまた繁殖し続けるのが
ああ 辛い!などとも言ってはいられまい
僕の目にも君の目にも見えるものが
もはや暗闇のみにならないとは
誰も保証できない 今日の痛みが
続く限りは