9月に、映画「海を感じる時」の感想を書いた時、 「原作が自分には合わなかった」と断じてしまったけれど、 なんだか気になって、 もう一度図書館で借りて読み返してみた。 意外にも、自分が記憶しているほどには悪くないかもと、 思った。 数年前、何が気に入らなかったんだろう、自分(笑)。 もちろん、そう面白いというわけではないけれど、 女子高生のみずみずしい感覚は、 ちゃんと伝わってくる。 自分が変わったのか、 映像化されたものを観て、 理解を深めたのか。 インパクトが弱いのは仕方がないか。 これは著者・中沢けいさんのデビュー作で、 しかも19歳。 ほぼ素人が書いた小説と言っていい気がする。 全体に薄くて、 あまり記憶に残らない。 だから「好きじゃない」と思ってしまったのかな。 それから、自分で書いた感想で、 笑ってしまう部分があった。 ↓ (以下、その部分のコピー) 『この話は、 恋愛と並行して、主人公と母親との確執も大きなテーマだ。 小説の細部は殆ど忘れてしまった私が、 たった一つ記憶に残っているのが、 娘が男と体を重ねているのを知った母が、 「夜遅くなったあなたを迎えに行ったのは何のためだと思ってるの!」と 罵倒する場面。 やはり、そこは映画でも使われていたけど、 でも、お母さん、 それとこれとは、ちょっと違うんじゃないのかなぁ。 夜迎えに行ったのは、 本人が望まない性体験を避けるためであって、 池松と関係しているのは、 娘が好きでやってるんだから、仕方ないじゃないかと思ってしまうのは、 現代の考えなんだろうか。』 で、本の、この箇所を読んだら、 全く同じ事が書いてあった。 性体験をした主人公に、 母親が、「夜迎えに行ったのは云々」と言った時、 彼女は、 「それは私が不本意な性関係を持たないためではないのか。 私は望んで、彼と関係しているのだ」、と、母親に言い返す。 うーん、まるでパクり(笑)。 これを書いた時、 パクったという思いは全くなく、 本当に、思った事を書いたつもりだった。 もしかして、 頭のどこかで、本の記憶が残っていたのかもしれないけれど、 母親のあんな発言を聞けば、 誰だってそう思う気がする。 ・・・と、言い訳しちゃう(笑)。 とにかく、映画の感想で、 あまりいい事が書けなかったのは、 ちょっと失礼だったかな、と思った次第。 本当に、そう悪くはないです。
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