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『植物はヒトを操る』

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『植物はヒトを操る』 いとうせいこう・竹下大学 2010/05 植物はヒトを操る (Mainichi Science)  著者いとうは作家・クリエイター、竹下は育種家。 植物のあれこれについての2人の対談集。  いとう:植物の場合は根っこが死んでいなければ、ほかの部分が滅んでも死にはならない。「どこまでがその個体なのか」という問題をはらんでいる。「植物が枯れてもショックではない」というのは、植物の死に曖昧さがあるから。  竹下:私たち育種家は一生懸命改良しているわけですが、彼らの勢力範囲を広げる手先になってしまっているのかもしれない。 植物は人間を使って植物同士の勢力争いに勝とうと考えていて、育種家は一番うまく使われてしまっている可能性がある。  花びらが雄しべになりきれなかったものが「八重咲き」になる。雄しべの途中にピラッと花びら色の切れ端がついていることがある。  タネにも寿命があるので、何年かに一度は育ててタネを更新する。ハスは長命種子。  バラの育種会社は毎年10万粒のタネを播く。  江戸末期ロバート・フォーチュンという英国のプラントハンターが来日して、日本の園芸のレベルがヨーロッパより高くて驚いた。  アサガオは中国から、タネが漢方薬として入ってきた。アサガオブームは、ヒマだった江戸の武士が支えた。徳川三代(家康・秀忠・家光)がかなりの植物オタク。「将軍秀忠花癖あり」と書かれている。  1800年代中・後半のアメリカの3大発明家は、エジソン、フォード、バーバンク。バーバンクは育種家の神様みたいな人。ジャガイモの新品種バーバンクをつくった人。これの改良種が今もアメリカで生産量ナンバーワン。


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