7/28に読了しました。 文庫本の上巻、前半はたぶん7月頭から数週間かけてゆっくり読み進んでいたんですが、7/25あたりにほぼ読み終え、7/26からの演劇研修会に下巻のみを持って泊まり込みに出かけました。 この研修会は普段過ごしてる中では考えられないくらいに(自堕落な自分としては)献身的に働いて舞台美術のKNOW-HOWを身体に叩き込みながら研修を重ねる、という充実の時間を過ごしております。 当然、歩き回り動き回り、汗だくでモノを運び、木材に穴をあけ、色を塗り、一通り終えて就寝が大体2時過ぎ、そのちょっとした合間でこの物語を読んでいました。 舞台は大阪のとある高校のボクシング部、そこでたまたま顧問を引き受けることになった女性教員、そして幼馴染の颯爽たる姿に強く惹かれ、全くの素人として入部することになった少年の視点で描かれる、間近で初めて感じるイメージとはかなり異なる格闘技、ボクシングの真の姿が実に魅力的に描かれております。 「風の中のマリア」にしてもそうだったんですが、百田さんのディテール描写の的確さは圧倒的で迫力満点、独特の疾走感がたまらない魅力です。 そしてやはり、キャラクターの立ち姿の美しさ。 不完全だったり、不恰好だったり、自らのたまたまの状況を嘆いても詮無いことで、限られた我が身を懸命に生きる、全うすることの美しさはやはり輝いて見えます。 下巻を半分ちょっと過ぎたあたり、不意打ちを食らいました。まさかそんな場面で、そんな展開が待っているなんて、気持ちよく裏切られてしまい、涙が出ました。読んでいたのが2日目、皆さん寝静まった夜中のベッドでよかったです。 無事研修を終え、帰路の途中、夕食を済ませた後で一気に最後まで進んだんですが、読後の充実感が清々しく、心地よかったです。 先に観ておこうか迷ったんですが、まだ観てないままの既に映画化されている作品も気になっています。 あ、そういえば。 「永遠の0」映画化作品も、公開が近づいてきました。 こちらもとっても気になります。
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